「御宿 敷島館」を出たあとはこんぴらさんこと金刀比羅宮へ向かいます。
移動の疲れもしっかり癒されエネルギーもチャージ、開運の旅はまだまだこれから!
宿から表参道まではすぐのところにあり、長い石段を歩くまでに体力を温存できるなとひとりほくそ笑む。
空は私好みの薄曇り(ピーカンは苦手なんです)、気持ちの良い空気に包まれながらいざこんぴらさんへ!
ことひら温泉の御宿 敷島館滞在記はこちらから
にぎやかな表参道を抜けて金刀比羅宮参拝の旅へ
平坦な表参道を抜けるとすぐに石段があります。
御本宮までは785段!その長い長い道のりの初めの方、100段を少し過ぎた辺りにあるのがこの「一之坂鳥居」。
実は石段を昇り始めてもお土産屋さんがたくさんあってまぁまぁ楽しく歩を進めていました。
ところが100段に近づくにつれ「やっぱり山道だな」って感じるように(泣)。でもここはまだまだ序の口。
立ち止まって見上げると「あぁやって来たんだなぁ」ってしみじみして思わず一枚。
空も美しくて良い写真が撮れました。
ちなみにこの「一之坂鳥居」の傍らには備前焼の狛犬がいて、なんと重要有形民俗文化財なんだそうです!
なんだかありがたみを感じますよね。
そして「まだまだ序の口」と言った通りここから勾配がきつくなります。その名も「一ノ坂」。
2020年1月まではかご屋さんがこの先の「大門」まで運んでくださったんですが(有料)、高齢化と若年者の担い手がいないとのことで廃業に。
ですから何とか自分の足で昇りましょう。ただし自分のペースは死守で^^; ペース配分は大事ですよ。
まだ早春だったので緑は少なめですがおかげで遠くまで見渡せました。
もうずいぶん高いところにいるんだなって感慨ひとしお。
もう少しで大門…の辺りで金刀比羅本教総本部があり、そのすぐ前に青銅大燈篭が。
これも重要有形民俗文化財。こんなのうちにも欲しいなぁ、なんてアホな妄想。
それにしても重要文化財、多すぎ^^; この先もまだあるみたい。
ようやく大門が見えてきました。大門は「だいもん」と読みたくなりますが「おおもん」です(^^)
大門は1650年(慶安2年)に高松藩の初代藩主・松平頼重が奉納しました。今から370年前の出来事。「松平」でピンときた方もお出でかと。水戸光圀のお兄さんなんだそうです。
古い建造物を見ると必ず「重機もなかった時代にこれが作れたんだ!」と驚きとともに思います。細かい細工が素晴らしいですよね。
大門をくぐって桜馬場を抜けると再び鳥居が。
桜の季節に来たかった「桜馬場西詰銅鳥居」
こちらは「桜馬場西詰銅鳥居」。その名の通り銅製の鳥居です。
春にはこの辺りは桜がとても美しいそうです。次は桜の季節に来ます。
なぜ銅製なんだろうかと調べたところ、銅は熱伝導率が高いとか殺菌作用があるとかよく聞きますが加工しやすい材質でもあるそうです。
伸ばしたりたたいたりしても脆くなるようなことがなく、しかも腐食にも強いのだとか。
また銅は使用年数に伴って色が変化していく様子が日本人の感性によく馴染み、経年変化をも楽しんできました。
写真で改めて見てみると全体的には黒っぽくところどころ青くなっているのが見てとれますね。
調べたところ銅は
- 赤褐色
- 褐色
- 暗褐色
- 黒褐色
- 緑青色
と変化するそう。としたらこの鳥居は4~5あたり。これからきれいな緑青色に変わっていくんですね。
さて、その鳥居の横にはこんなワンちゃんが。
これは「こんぴら狗(いぬ)の銅像」。
江戸時代は庶民が旅行をすることを禁じており神仏への参拝が唯一許されていました。ただ現代と違って移動手段はほぼ自分の足のみ。
当時、皆の憧れだったのは伊勢神宮や京都の東西本願寺とならんでこの金刀比羅宮への参拝。しかし江戸などの東日本から関西や四国までの長旅は大変な負担。誰もが参拝できるわけではありません。
そこで「代参」として旅慣れた人に代わりに参拝してもらうこともありました。
それは人に限らず「犬」の代参も。その代参犬の銅像がこの「こんぴら狗」というわけです。
笑顔で可愛らしいですよね。デザインはイラストレーター(デザイナー・漫画家・猫好き)の湯村輝彦さん。
さてこの辺りは幸せさえ感じるくらい平坦な道のりが続きましたが、ここからまた石段を昇ります。
すると「社務所門」が。
ただこの奥に社務所はありません。かつて社務所が書院に属していたことから書院の勝手口を社務所門と呼んでいるんだそう。
書院にはあの丸山応挙の襖絵や障壁画が展示されています。贋作が数多く出回っているほどの大絵師。一見の価値は十分にあります。
通常、営業時間は8:30~17:00ですが2020年6月1日~30日までは休館となっていますのでご注意(問い合わせ:0877-75-2121)。
477段!疲れを感じつつも願掛け
ここまでで石段は477段!半分を超えています。
さらに石段を昇るとその先にあるのが「旭社(あさひのやしろ)」。多くの方がそこが御本宮と勘違いしてしまうポイントです。
それもそのはず。
この旭社は江戸末期の建立時、金堂として建てられたもの。多くの宮大工の手で代をまたいで建てられたそうです。
かの森の石松がこの旭社を見て御本宮と思って引き返したという逸話が残されています。
それほどに立派な建物…なんですが、御本宮より前に参拝するとご利益が得られないと云われています。ここはぐっとこらえて参拝は帰りに。
その代わりに旭社のすぐ近くにある水がめに願掛けしてみては?
人の腰ほどまであろうかという大きな水がめ。
覗き込んだら1円玉がたくさん!よく見ると浮かんでたり沈んでたり。
ここに1円玉を浮かべることができたら願いが叶うと云われています。
1円玉が1枚だけあったので願いを込めてチャレンジ!
そして撃沈………。
さ、ここで最後の休憩をしていよいよゴールに向けて出発です。
ここまで大した労もなく来た感が出てしまっていますが、実は途中、何度もリタイアをよぎりました。
その度に昨晩、宿泊した先で「明日は絶対絶対御本宮までたどり着くぞ!」って心に誓っていたこと、そのために特にお風呂が充実した宿を選んだことなんかを思い出して何とかここまで来ました。
あとは「開運」というご褒美を得るために頑張るぞ。
パワースポットの御本宮到着!
休み休みではありますが確実に1段ずつ石段を昇りその先に…
やっとたどり着きました!御本宮です!
走り出したい気持ちをぐっとこらえて(ほんとは足がおぼつかず笑)ゆっくりゆっくり近づきます。
やっぱり来てよかった(≧▽≦) この金刀比羅宮の中でも1番のパワースポットと言われるだけあって厳かな雰囲気。
軽く泣きそうになりましたがここはガマン。さっそく参拝。
せっかくここまで来たからにはできるだけ正式な方法で参拝したかったので調べておきました(^-^;
御本宮の横に回ってみるとこれまた立派な燈篭。
どこを見ても細工がほんと素晴らしくてしばしみとれます。
せっかくですからおみくじでも…と思っていたら他にはないような珍しいおみくじが!
それがこの「こんぴら狗開運みくじ」。
写真ではわかりにくいのですが、こんぴら狗の背中におみくじが入っています。
ここまで来ないと引けないので御本宮に来られた方はぜひ。
予定では御本宮で引き返すつもりでした。
が、こんぴら狗に癒されたのかわかりませんが奥社まで足を延ばすことに。
ついに1368段昇りきりました!
展望台から讃岐平野を眺めながらしばらく休憩。
で、いざ出発!
御本宮の北透垣に沿って歩くと間もなく鳥居があります。その鳥居をくぐり、橋を渡ったり石段をさらに昇ったり…。
なんと1368段!昇りきったところに見えました!厳魂神社(いづたまじんじゃ)。
金刀比羅本教の教祖・厳魂彦命(いづたまひこのみこと)が祀られています。
何だか空気がピリリ。
御本宮などとは少し趣の違う建物です。朱色がきれいですね。細工も御本宮や旭社とは異なります。
左の写真はこれが正真正銘、最後の鳥居というのを収めました。
立札にはいろいろ書いてありますが、厳魂彦命がいかに優れた人物であったか、と、天狗信仰と呼ばれている、みたいな感じかな^^;
ここでしか買えない天狗のお守りもゲット!
御本宮に次ぐパワースポットと言われるだけあって終始空気が気持ちよく体は疲れているのに心がすっきり軽くなるような、そんな感覚。
しばらくここでパワーチャージしてから下山。
今夜は念入りにストレッチとマッサージします^^;
最後に、香川に来たら絶対外せない讃岐うどんを頂きました。
「こんぴらうどん」は金刀比羅宮からも近いため参拝にきた方もよく来られるのだとか。
私もさっそく注文。
「温玉エビ天ぶっかけ」。写真の通り太めの麺でコシがあり美味しかったです。ちなみに隣のは「天ぷらうどん」。たっぷりのわかめが天ぷらと意外と相性がよく美味しいそうです。
やはりうどんにして良かった(*’▽’)なんだか疲れもすーっとなくなってきたみたい。
「我ながら単純だなぁ」と苦笑しつつほおばりました(笑)。
まとめ
今回は開運旅行で金刀比羅宮に参拝しました。
お天気もよく1300段余りの石段を昇るには申し分のない条件。「これはリタイアできない」と逆にプレッシャーになってしまいました。
ただ、参拝して本当に良かったです。
達成感もありますし、開運という意味でも自己肯定感がアップした気がします(笑)。
もう少し体をきたえてまた挑戦しますよ!
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